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     【茜】「ほらおにぃ、さっさと起きろー」

     【茜】「妹ダァーイブ!」

     【悠】「うごげっ!?」

朝一番、突然腹部を襲う激痛!

たまらず瞬時に跳ね起きる!

     【茜】「おはろーおにぃ、目覚めた?」

まぁそうだろうな。

寝起きの俺にこんなことするのは茜くらいだ。

可愛く笑顔を浮かべてなんともまぁ。

     【悠】「おぉ愛すべき妹よ。二度寝の必要もないくらいばっちりだ」

     【悠】「兄としてご褒美をあげよう」

     【悠】「どれ、こっちに来なさい(じりじり)」

     【茜】「そんなの気にしないでよ、あたしたちの仲なんだから♪(じりじり)」

     【悠】「いやいや、さやねぇの代わりに起こしてくれたんだ」

     【悠】「褒めるべきことはちゃんと褒める。それが我が家の流儀だ(じりじり)」

     【茜】「だから気にしないでって」

     【茜】「あたしはたださやねぇの代わりに起こしただけだし(じりじり)」

     【悠】「そう言われればそうか」

     【悠】「ってそのさやねぇはまだ来てないのか?(じりじり)」

     【茜】「んー。今起きたんだって」

     【茜】「さっき電話きてそう言ってた」

     【茜】「『寝坊してごめんなさーい。先に行っててー』って(じりじり)」

     【悠】「へー。さやねぇが寝坊か、珍しいな」

ここで一応補足をしておく。

俺はいつもさやねぇに起こされていない。

基本的に自分で起き、その後茜を起こして朝食を用意。

その後さやねぇと一緒に登校という流れなんだけど。

だけど茜が部活で朝早い時などは例外だ。

さやねぇが茜を起こして俺たちのご飯を作って。

その後俺が起きてるか確認に来てくれるのだ

さやねぇのおじさんとおばさんの朝が早いからちょうどいいんだとかなんとか。

そして例のスキンシップという日課。

決していつもさやねぇに起こされ食事も用意してもらってるわけではない!

それをここで強く主張したい!

     【悠】「まぁそれはさておき」

     【悠】「兄の妹レーダーから逃げ切れると思うな!」

     【茜】「ぎゃー!
抱きつくな変態おにぃあたたたたたたた朝からぐりぐりはやめたたたたたたたたた」

ということで今日は姉とスキンシップが出来ない代わりに、妹とたっぷりした。

     【悠】「あれ? おはよう真由」

    【真由】「あ、やばっ。ほんとに出てきた……」

朝食も終えていざ登校、と。

玄関を開けるとそこには真由の姿があった。

    【真由】「ちょ、ちょっと待ってて」

    【真由】「さささっ。髪型よし、眉毛よし、鼻……もよし」

    【真由】「こほん」

    【真由】「おはよう悠くん、茜ちゃん」

     【茜】「おっはー真由ねぇ」

     【茜】「なになに? おにぃを迎えにでも来たのー? にしし」

     【悠】「マジか。それなら嬉しいんだけど」

    【真由】「そう言ってくれてありがと」

    【真由】「まぁ半分そんな感じなんだけどね」

    【真由】「登校しながらぶらぶらしててさ」

    【真由】「別に家が逆方向とかじゃないんだから」

    【真由】「もし会えたらせっかくだし一緒にって感じで来たんだ」

     【悠】「なるほど。そこに偶然俺が出てきたってことか」

     【悠】「こうやってみるとそれこそ運命、みたいだな」

    【真由】「くす、そうかもね」

     【茜】「うわー、この人たち朝からイチャついてるー、ホントヒくわー」

なんて話していると隣の家。

すなわちさやねぇの家の玄関からぱたぱた音が聞こえ。

    【紗香】「はぁ……どうしたんだろわたし……」

    【紗香】「ってゆーちゃんにあーちゃんに、まーちゃん?」

    【紗香】「みんな揃ってどうしたの?」

     【悠】「人と人との出会いは運命の導きだよなって話してたところ」

     【茜】「おっけーおにぃ。ちゃんとカギ閉めたよー」

     【悠】「ナイススルーツッコミだ妹よ」

自分で言ってても意味不明だったしな。流してくれて逆に感謝。

    【紗香】「えっと、なんかよくわからないけど」

    【紗香】「みんな揃ったんなら一緒に行こっか」

と最終的にさやねぇがまとめてみんなで登校。

四人で歩きながら話していると。

そのうちなんとなく真由と二人並びに。

    【真由】「あのさ、実は言うとちょっと心細かったんだ、一人で行くの」

    【真由】「まだ転校してきたばっかりだから教室で一人でいなきゃ、とか思って」

    【真由】「だから悠くんが出てきてくれた時、結構嬉しかったんだよ」

なんてはにかみながら言われる。

くっ、可愛いじゃないか……。

そんな風に言われたら俺も。

     【悠】「うちのクラスの連中なら大丈夫、うざいくらい話しかけてくれるよ」

なんて照れた風にしか返せなかった。

全く、いきなりなんてことを言うんだこの子は。

妙に恥ずかしくて真由の方を見れず。

前の方を歩くさやねぇと茜を眺める。

あぁ、今日も平和だなぁ。

     【悠】「…………」

     【悠】「あれ?」

どうしたんだろう、さやねぇ。

いつもと一緒に見えるけど。

気のせいかもしれないけど。

横顔が元気なさそうに見える。

そういえば今日も珍しく寝坊もしたみたいだし。

これが俺や茜だったらただのうっかりですむんだけど……。

うーん……気になる……。

     【悠】「………………」

あぁ、もしかしてそういう日?

そうか、そう考えれば納得出来る。

そういえば月に一度、あんな感じで元気ない時あるし。

茜もすっごいダルそうにしてる日あるしなぁ。

男にはわからない辛さだ。

ふー、危ない危ない……下手に聞いたらセクハラで怒られるところだった……。

大丈夫、俺は空気を読める男!

こういう時はそっとしておくのが一番。

そしてさりげなく手伝いとかしよう。

そんなことを思いながら学園へと向かった。