【女の子】「ん~、おもぉーい……!」
【陽砂】「うぅ……」
【女の子】「おしょうゆとめんつゆ買うの、
別々の日に分けた方が良かったと思うんだけど。
朋香のかわいーい二の腕が、ムキムキになっちゃうよぉ」
【陽砂】「ひっ……あ、と、通りがかりの人ね……?」
【朋香】「ちょっと、お姉ちゃん? 聴いてる?」
【陽砂】「……え!? あ、な、なに朋香? お腹空いたっ!?」
【朋香】「ご飯前だから、そりゃ空いてるけどさぁ……。
さっきから妙にキョドってるけど、どーしたの?」
【陽砂】「そそ、そんなことないよっ? お姉ちゃん、いつだって空元気なんだからっ」
【朋香】「元気ないよそれっ!?」
【陽砂】「あ、そ、そうだね。あはは、間違っちゃった」
【朋香】「おかしい……お姉ちゃんが、そんなボケを言うなんて」
【陽砂】「や、やだなぁ。お姉ちゃんだって、たまにはたのしーい冗談を言ったりするんだよ?」
【朋香】「言った試しがないと思うけど?」
【陽砂】「あはは……ほら、わたしのことはいいから、
早くおうちに帰ってご飯の準備しよ? ねっ?」
【朋香】「ん~……ま、なんでもないなら良いんだけど」
【陽砂】「うん、ないない! あはは……」
【酔っ払い】「てやんでぇバロチキショォ!」
【陽砂】「ひゃっ!?」
【酔っ払い】「ほーじんぜーの引き下げがなんだっつぅんだ……?
上が潤うだけで、おれたちゃなんにもかわんねぇよ!
毎日ポテトLサイズだ、バッキャロイ!」
【朋香】「うわぁ……こんな時間から飲んで、独りで叫んでるよ。
こわーい、さっさと行こ……って、お姉ちゃん?」
【陽砂】「ほ、ほ、ほーじんぜい……ほーじん……へんじん……。変人!? 目出し帽!!?」
【朋香】「何が!?」
【陽砂】「わあぁぁ、もうやだあぁぁ!!」
【朋香】「お、おねーちゃん!? おねーちゃーん!!?」
【酔っ払い】「番号札2番のお客様、お待たせいたしましただコンチキショォ!!」
【朋香】「え、店員側なの!?」
【陽砂】「わあぁぁぁぁん!!」
【酔っ払い】「アラフォーバイトの何がわりぃんだ、バイトリーダーなめんなよ、オゥ!?」
【朋香】「お、お姉ちゃんも気になるけど、
あのオジサンも気になるよぉ……朋香、どうすればいいの!?」