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【おキヨ】





【真守】



【おキヨ】

【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】

【真守】


【真守】

【おキヨ】


【おキヨ】





【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】

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【おキヨ】



【おキヨ】


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【おキヨ】


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【おキヨ】


【真守】

【おキヨ】


【真守】


【おキヨ】


【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】


【おキヨ】


【真守】

【おキヨ】


【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】

【真守】






【おキヨ】


【真守】





【真守】

【おキヨ】

【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】


【真守】


【おキヨ】


【おキヨ】

【真守】










【おキヨ】

【おキヨ】


【真守】

【おキヨ】


【おキヨ】

【真守】


【おキヨ】

【真守】


【真守】

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【おキヨ】


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【おキヨ】




【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】


【真守】

【おキヨ】



【真守】

【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】



【真守】


【おキヨ】

【真守】


【おキヨ】



【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】

【おキヨ】



【真守】

【おキヨ】

【真守】



【おキヨ】



【おキヨ】

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【おキヨ】

【真守】



【おキヨ】

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【真守】





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【真守】


【愛菜】






【おキヨ】

【愛菜】

【愛菜】


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【おキヨ】

【愛菜】

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【おキヨ】


【おキヨ】




【おキヨ】

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【おキヨ】

【真守】



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【おキヨ】

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【おキヨ】

【真守】






【真守】


【真守】


【おキヨ】

【真守】


【おキヨ】

【真守】




【おキヨ】


【真守】

【おキヨ】


【真守】


【おキヨ】


【真守】

おキヨさんが演出してくれた甘々な時間も、それほど長くは続かなかった。

「うぅ、む……」

食事を終えて、僕が持ってきたプロットに再度目を落としてからのおキヨさんは、
なんというか……唸ってばかりだ。

その唸りが感嘆めいたそれならいいんだけど、
眉間にしわを寄せまくっていて、いかにも不評という感じだ。

「あ、あの……おキヨさん? えっと、どうでしょうか……」

僕が沈黙に耐えられなくなってそう声をかけると、
おキヨさんはプロットをテーブルの上に置いた。

「無駄な言葉を削ぎ落して簡潔に感想を伝えるとじゃ……」

「つまらん」

「え、えぇっ!? ど、どこがですか? 僕的には会心の出来なんですけど……」

「ほう? 例えばどこが?」

「えっと……今までと違って絡みに現実味を持たせた所とか、絵はこれからなので
 分かりにくいかと思いますけど、描きこみの量を増やしたり……」

「あと全体的な話の流れなんかも、今までよりはスムーズになっているかと……」

「……なるほど」

おキヨさんは足を組み、天井を見上げた。

「はぁ……」

そして大きくため息をつく。

今、僕は落胆されている。

出会ってから今まで、おキヨさんがこんな態度をとることはなかっただけに、
ものすごくショックだった。

「まさかとは思うが、念のために聞くぞ」

「は、はい? なにをでしょうか」

「お主、童貞を捨てたな?」

「えっ、な、何でそれをっ!?」

「はぁ? 本当に捨てたのかっ!?」

僕が驚き、その直後におキヨさんまでがガタンと席を立ち、驚く。

僕たちは互いに見つめあったまま、動かない。

「あ、相手は……だれじゃ? お主のような童貞こじらせたキモい男に
 貞操を捧げた奇特な女子はどこのどいつじゃ?」

「え、えっと……」

おキヨさんににじり寄られ、僕はとっさに視線を愛菜さんに向けてしまう。

「あの女子か……。おとなしそうな顔をして、手が早いの」

おキヨさんはドサッと椅子に背中を預け、紅茶を飲んだ。

「い、いえそれは誤解でっ……。
 のっぴきならない事情があってのことで……そのっ……」

「お主の童貞は妾が狙っておったというのに……。
 おのれ。ビッチの妾がよもや生娘に先を越されるとは……」

「あ、あの? おキヨ……さん?」

「何じゃ、妾は今獲物を横取りされてすこぶる機嫌が悪い。
 くだらないことを言いおったら承知せんぞ」

「え、えっと……な、なんで、分かったんですか?
 僕何もしゃべってないのに……」

「フン、そんなことか。そんなものは、これを見れば一目瞭然じゃわい」

おキヨさんはそう言って、バンバンとテーブルの上のプロットを叩いた。

「この内容からは、童貞力が感じられぬ」

「ど、どうて……なんですって?」

「ドーテー力じゃ。今まで、お主が持っていたものじゃ。
 それが一切このプロットからは感じられん」

「現実味じゃと? 描きこみの量を増やすじゃと?
 その結果、内容が淡白になっては元も子もないわ、バカ者」

「……つまり勢いが足りなくなっている……って事ですか?」

「まぁ、そうじゃな。童貞特有の突っ走っている感が微塵も感じられん。
 お上品なエロ漫画など、誰が読んで楽しめようか」

「お主はこれを美術館にでも寄贈するつもりなのかぇ?」

「ち、ちがいます……読者に、読んでもらって……」

「オナニーさせる為じゃろ?」

「は、はい……」

僕はうなだれた。

おキヨさんに指摘されたことは、確かにその通りだ。

リアリティーを持たせようとした結果、無難なものになってしまっている。

そしてそのことに、僕は言われるまで気づけなかった。

現実味という言葉に、必要以上に囚われてしまっていたのだ。

「現に今のお主は、妾がよく知っておるお主ではない。妾が知るお主なら、
 こうしている間にも、妾の股間をのぞこうとしておったはずじゃ」

「……あ……」

言われてから、気づいた。

おキヨさんが足を組んでいることに。

パンツを穿いていないおキヨさんが、
裾の短い浴衣姿で足を組んだら……丸見えだというのに。

「いやいやいや、納得しかけましたけど違いますから。僕はそこまではしませんよ」

「何を言う。改札の前で妾の恥ずかしい割れ目を覗こうとしたではないか」

「お主は自分が思っておる以上にエロハンターなのじゃぞ?」

「何ですかそれ、カッコ悪い二つ名つけないでくださいよっ」

「いいや、お主はエロハンターじゃ。エロいものへの嗅覚は
 他の誰にも負けないという自負を持っておると信じておった」

「いや勝手に人にそんな自負を持たせないでくださいよ」

おキヨさんはあからさまに落胆し、深々とため息をつく。

「ではこのつまらんプロットはどう言い訳するのじゃ? お主の童貞力の喪失が
 招いたものでないとするなら、いったいなんだというのじゃ」

「いまのお主に、以前と同じような話が作れるとは到底思えんのじゃがな」

「……それは……」

そのプロットは、最高のものだと信じていた。

でもおキヨさんに指摘された後で読んでみると、確かに……エロく感じない。

エロい絵を描けばエロい訳ではないのだ。

絵は所詮、材料のひとつでしかないのだ。

大事なのは、シチュエーション。

エロに持っていくまでの、過程なのだ。

それが、このプロットからは欠落している。

そのことを、おキヨさんは穏やかな口調で説いてくれた。

でも今の僕には……どうすればこれがエロくなるのかが、分からない。

「今のお主は、飛ぶことを忘れた鶏のようなものじゃ。もがいても、高くは飛べぬ」

「考えるようでは、ダメなのじゃ。今までのお主は、呼吸と同じような当り前さで、
 エロさを形作れていた。それこそが、童貞力だったのじゃ」

「……そんな……僕は……エロ漫画家として大切なものを失ってしまったのか……」

「お主の童貞力に、
 さらなる画力がつけば最強じゃと思ってリアリティーを与えたのじゃがな……」

「まさか一足飛びに童貞力そのものを失ってしまうとは……」

「ぼ、僕は……もう、ダメなんでしょうか……。
  もう、いらない子になってしまったんでしょうか」

「……何を言っておる?」

「でも僕はもう、おキヨさんが求めるレベルのエロ漫画を描くことが、
 できなくなってしまったんですよね?」

「だったらもう……おキヨさんと一緒に仕事をする事は……」

「ほ、本当に、すみません。
 今まで目をかけてもらっていたにもかかわらず、勝手なこと、して……」

「ふっ……はははっ……」

おキヨさんが、突然笑い出した。

「え……おキヨさん?」

僕は唖然となって、おキヨさんの顔を見る。

「あぁ、すまぬ。つい、ついな」

そう言いながらも、おキヨさんはクククッと笑い続けている。

まさか、また担がれたのだろうか、そう思っていると、おキヨさんは席を立った。

そして再び、僕の隣にやってくる。

「お主は本当に、可愛いのう」

「えっ……な、なんですか、いきなり……」

「童貞力は、確かにエロ漫画を描く上で重要な要素じゃ。
 じゃがの……必須というわけでもない」

「え、そ、そうなんですか?」

「言ったであろ? いつかは、妾がお主の童貞を奪うつもりであったと。
 童貞力が必須であれば、
 妾はお主からエロ漫画を描く才を奪うことになってしまうではないか」

「そ、そうですね……って言うか、それ本気だったんですか」

「妾はいつも本当のことしか言わぬ」

「激しく、異議を唱えたいところですけど……」

「良いか真守。今のお主は、ただ賢者モードに入っておるだけじゃ。
 童貞でなくとも、童貞さながらの性欲と妄想を抱けばよいのじゃ」

おキヨさんはそう言いつつ、僕の首へと腕を回した。

「あ、あっ、あの? か、顔が……というより、息が……。
 おキヨさんの、甘い息が……」

「ふふっ、童貞を捨てても、キスはまだのようじゃな?」

「そ、それは……あ、あのっ! いったい何をするつもりですか?
 そ、それ以上顔、近づけたら……」

「近づけたら、なんじゃ?
 妾とお主は、今デートをしておるのじゃ。抱き合って何か不都合でもあるかの?」

おキヨさんが嫣然とした表情と口調で、甘く甘く囁いてくる。

「妾が今から、おまじないをしてしんぜようぞ」

「お、おまじない、ですか……?」

「そう、まじないじゃ。お主が、以前のようにエロエロな猿になるようにのう」

「妾をエロい目で見て、頭の中で妾に股を開かせ、
 ドロドロのグチョグチョになるまで妾を犯しぬく妄想を常日頃から抱いておった、
 あのころのようにな」

「ぼ、ぼ、僕はそんな……」

「さぁ、口を開けよ。妾が、キスをしてやる。初めてを妾に捧げよ」

「う、あ……」

ロリな顔と身体に似つかわしくない、
おキヨさんの妖艶な瞳に魅入られ、僕は口を開けてしまう。

「はぁ……」

おキヨさんはバニラのように甘い吐息を僕に浴びせた後に、
カプッと……僕の唇を唇でふさいだ。

「んっ、ちゅっ……れる、レロ……ジュルルルッ」

「ん、んんっ……んっ、んぐぅっ」

初めてのキスに慌てた僕は、口を離そうとする。

でもおキヨさんは僕に覆いかぶさるようにして、唇を押し付けてくる。

「チュッ、チュルルッ……レロ、レロ……ジュルルッ、
 チュプッ、チュッ、チュルルル……」

おキヨさんの小さな舌が、僕の口の中で暴れまわっている。

逃げ回る僕の舌はやがて絡め取られ、強く吸われた。

「ジュルルルルッ、ジュズッ、ずゅるるるっ!」

「んぐっ、ふっ……ふぅっ」

キスをされるのだと、ある程度予測はついていた。

でもまさか、こんなに濃厚なものだとは思い至らなかった。

「チュチュッ、レロ、プチュ、ヂュルルルッ」

「んはぁ、んっ、ジュルッ、レロレロ、レロォッ、
 ジュルっ、チュッ、ヂュルルルルッ……」

口内をねぶられ、舌を絡め取られるたびに、身体が芯から熱くなっていく。

ドクンドクンと、心臓が早鐘のように脈打ち始める。

「ふふっ、そう、それでよい。妾に、身をゆだねよ」

「チュッ、チュッ、チュルルッ……レロ、チュプ、ジュルッ」

僕の口の中も、口の周りも、おキヨさんの舌でねぶられ、涎まみれになったころ。

おキヨさんは僕を蕩けるような視線で見下ろす。

そして一旦口を離すと……。

「では、まじないの仕上げじゃ」

「んっ、チュッ……んぷはっ」

大量の涎を、僕の口の中に垂らした。

おキヨさんの涎は、吐息と同じくらい、甘く感じる。

「可愛い可愛い妾の唾じゃ。垂らしてもらえてうれしいじゃろ?」

「クスッ……それでは味をたっぷりと堪能した後で……」

おキヨさんは僕の顎に人差し指を当て、口を閉じさせた。

そして……。

「飲め」

と、一言僕に命じた。

「ゴクッ」

僕は一口で、おキヨさんの唾を飲み込んだ。

それは今まで飲んだどんなものよりも、美味しく感じられた。

もっと飲みたいとさえ、思えるほどだ。

「んぐっ、うっ、あっ……」

その直後だった。

身体の火照りが、最高潮に達した。

飲み込んだおキヨさんの唾が、
僕の血管へとにじみ出て、全身にいきわたっているかのようだ。

「はっ、はぁ、はぁっ……」

「ふふっ、いい顔になってきたのぅ。
 本来であれば、お主に接吻を与えるのはもう少し先の予定だったのじゃがな」

「どうじゃ? 身体の奥底から、湧き上がってくるじゃろ?
 女を犯したい、穴という穴に子種を流し込んで、
 孕ませたい、喘がせたいという感情が」

「ふぅ、ふぅっ……うっ、クッ、おキヨさん……」

「フフッ、クククッ、今、お主の頭の中で、妾はどうなっておる?」

「尻を向けさせられて、股を開かされて、
 お主のぶっといチ●ポに貫かれて、アヘ顔を浮かべておるか?」

「それとも……もう二度三度と種を注ぎ込まれて、失神しておるかの?」

「おキヨ、さん……はぁ、はぁっ……」

「ふふっ、ふふふっ……苦しいか?
 苦しかろうのぅ。出したいときに出せなんだら、苦しいに決まっておる」

「妾ならば……よいぞ?」

おキヨさんは僕に抱きつき、耳元でささやいた。

股を開いて、僕の股間の上に乗る。

ズボンの中で勃起したチ●コが、
パンツを穿いていない無防備な股間に当たっている。

「その妄想通りのことを……妾にするが良い。
 いつどこで、どんなときに犯されても、妾は一言半句の文句も申すまい」

「妾を……クスッ、お主の性処理に使え。肉便器に仕立てあげるが良いぞ?」

「う、うぅっ、あっ、あーーーーーーーーーーーっ!!」

僕の中の欲望が、次の瞬間大爆発した。

「なっ、ななな何してるんですかっ!!
 ほ、ほかにお客さんがいないと言っても、ここはお店の中ですよっ!?」

雄たけびを聞きつけた愛菜さんが、僕たちを見て顔を真っ赤にして叫んだ。

その声で僕は我に返り、すんでのところでおキヨさんから手を離した。

あのまま愛菜さんが現れなければ、
僕は間違いなくおキヨさんを押し倒していただろう。

「おや、なんじゃ嫉妬か?」

「し、し嫉妬だなんて、そんなこと……別に……」

「す、すみません、おふたりの時間を、邪魔してしまって。
 で、ですがここは、その……お店の中、ですので……」

「そ、そういう事は慎んでいただければと……」

「ふふっ、まぁそうじゃな。悪かったのう、驚かせて」

「い、いえ……」

「で、でも……知りませんでした。真守さんに、彼女さんが、いらしたなんて……」

「ん? いや妾とこ奴は別に恋人ではないぞ?
 妾はビッチゆえ、誰とでもこういう事をする」

「クククッ、そなたの反応が面白いのでな。ついからかってしもうた、許せ」

おキヨさんが愛菜さんに、何かを言っている。

でも今の僕は……
なんだか身体中から力が抜けてしまっていて、声を出すもの億劫だった。

「さて、それではそろそろいぬるとするかの」

「ほれ、いつまでも惚けておるでない。おい? おーい?」

ペチッ、ペチッと小さな手でほっぺを叩かれる。

僕の顔を覗き込む、ちょっと心配そうな顔をしたおキヨさんがなんだかわいくて、
僕はしばらく叩かれるに身を任せていた。

まぁ、そうやって調子に乗っていたら
その後鞄の角で思いっきり頭をぶん殴られたんだけど。

気付けば、僕はおキヨさんと一緒に駅前に立っていた。

暗くなっていたのでもう夜が近いのかなと思ったけど、
時計を見ると、まだ15時を少し過ぎたところだった。

空を見ると、どんよりと雲が立ち込めている。

これは、夕立が来そうだなと思った。

「真守よ。本当に大丈夫なのじゃな?」

「え、あ……はい。大丈夫です。なんだか、頭がまだボーっとしますけど」

身体の怠さはなくなったけど、でもまだなんだか、
頭のぼんやりと霧がかかったようだ。

「あ、あの……おキヨさん、その、ですね……」

曇天を眺めていた視線を、恐る恐る、おキヨさんに向けた。

「ん、なんじゃ? キスの事か?」

「ぼ、僕が言いづらそうにしてるんですから、
 そんなあっけらかんと言わないでくださいよ」

「くくくっ、キスくらいで動揺してどうする。
 それで、どうじゃった? 初めての、キスの味は」

おキヨさんがにやにやと笑いながら、僕の返事を待っている。

「う、う……な、なんだか……すごかった、です……」

「そうじゃろうのう。童貞を食えなんだ腹いせに、
 ちょーっと本気で唇を奪いに行ったからのぅ」

「ま、またそんな冗談を……」

「……じゃがこれで、賢者モードは脱したであろ?」

「……はい、なんだか今は、漫画が描きたくて描きたくて、仕方ないです」

内側から溢れ出るこれは、
ありきたりな表現をすれば、情熱ということになるのだろう。

でも僕の情熱は、エロを形にしたい、というものだ。

そしてそれを誰かに見て欲しい。

そしてこの興奮を、共有してほしい。

「良い顔じゃ。まったく、邪魔さえ入らなんだら、あのまま食えておった物を……」

「はは……」

冗談なのか本気なのかわからないから、とりあえず笑っておく。

とにかく今の僕がすべきことは、漫画を描くということだ。

剥き出しの股間を見せてくれて、
そしてキスまで僕に教えてくれたおキヨさんのために、
彼女の期待に応えられるものをまずは仕上げないといけない。

「あ、そうだ。これを……」

僕は鞄の中から折り畳み傘を取り出し、おキヨさんに渡した。

「これから一雨来そうですので。よかったら使ってください」

傘を渡されたおキヨさんは、キョトンとしている。

「お主は使わんのか?」

「日向荘はそんなに遠くないですから。
 途中で降ったって、僕は男ですから大丈夫です」

「別に妾も濡れても構わんのじゃがなぁ……」

「だめですよ。濡れたら浴衣が透けちゃうじゃないですか」

しかもおキヨさんはパンツを穿いていないのだ。

夏用の薄い浴衣が水を吸って張り付こうものなら、
くっきりとお尻の割れ目が透けて見えるだろう事、請け合い。

「お? いま妾の濡れ透けシーンを想像しておるな?
 まったく、エロいのぅ、お主は」

「ちょっ……人の頭の中をのぞかないでくださいよ」

「クスッ、まぁそういう事ならありがたく使わせてもらおう。
 じゃが妾の好感度を上げても締め切りは後ろにずれんぞ?」

「別にそう言う目的で渡したわけじゃないですし。
 大丈夫です、必ず間に合わせて見せますよっ!」

「うむ、その意気じゃ。
 ではまた後日。打ち合わせの日取りは、後でメールするゆえ」

「はい、それでは失礼します」