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【真守】




【愛菜】


【真守】





【愛菜】



【真守】


【愛菜】



【真守】


【愛菜】

【真守】


【愛菜】


【真守】

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【愛菜】


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【おキヨ】



【真守】


【おキヨ】

【真守】

【おキヨ】

午前9時。

お仕事の加藤さんと、友達と遊びに行くと言っていた芽美ちゃんを送り出した後。

僕は管理人として最重要の任務の一つ、
トイレ掃除のためにバケツとブラシを手に1階のトイレへと向かっていた。

いくら日向荘が古いと言っても、
さすがにここだけは近代化の改修がされて水洗式になっている。

奥にあるのが男子トイレ、手前が女子トイレだ。

「よし、それじゃ……って、あれ?」

早速掃除を始めようと思って女子トイレの扉を開けようとしたけれど、
鍵がしまっている。

どうやら中に誰かがいるらしい。

「あ、は、入ってますぅっ!」

扉越しに、愛菜さんの声が聞こえてきた。

「わわっ、ごめんなさいっ! ごゆっくりどうぞっ!」

僕は慌ててドアノブから手を離し、無意味だけど背中を向けた。

しばらく後に水を流す音が聞こえた。

扉の向こうに、用を足している女の子がいる。

そう思うだけで、なんだかとっても興奮してくる。

「お、おはよう、ございます……」

顔だけをスッと覗かせ、愛菜さんが挨拶をする。

その顔は、若干というか、かなり赤くなっている。

「お、おはようございます。すみません。
 さっき確認した時は、誰も入ってなかったので……」

「い、いえ……えと、お掃除、ですか?」

愛菜さんが扉をパタンとしめ、なぜかその扉に背中を預けた。

まるで、通せんぼをしているかのようだ。

「はい、お掃除です。
 僕午後からちょっと出かけますので、朝のうちにやってしまおうと」

「で、でしたらっ! 私がやっておきますっ!」

「……はい?」

予想外の言葉に、僕は思わず聞き返した。

「こっちの掃除は帰ってきてから私がやっておきますからっ!
 ですから真守さんは男子トイレの掃除だけお願いします!」

「い、いえ、でも掃除は僕の仕事ですから、そういう訳にも……」

「ん? 帰ってきてからって……これからどこかにお出かけするんですか?」

「あ、はい」

愛菜さんはキョロキョロと廊下を見回し、僕たち以外誰もいないことを確認する。

「これからまた、バイトの面接なんです。
 今度こそ採用してもらえるように、頑張りたいと思います」

胸の前でギュッと手を握る愛菜さん。

やっぱりかわいいな、と思う。

僕が店長だったら、1も2もなく即採用なんだけどな。

「そうですか……あの、頑張って下さいっ」

「はい、ありがとうございますっ!」

「それじゃ、時間なので私行きますね?」

「はい、行ってらっしゃい」

僕はブラシを持った手を振り、愛菜さんを見送った。

そして彼女が玄関を出て、たっぷり30秒経ってから、
ガチャリと女子トイレの扉を開けた。

中は芳香剤の香りに混じって、ほんのりとおしっこの匂いが残っていた。

「ふわぁ……クンクン、これが女の子のおしっこの匂いなのか」

胸いっぱいにおしっこの香りを取り込むと、
身体中の細胞という細胞が活性化していくのを感じる。

「ああ、しあわせだ……管理人の仕事しててよかったーー!」

こういう事をするから芽美ちゃんに変態って言われるんだろうけど、
エロ漫画家としては、目の前にエロがあるのに見過ごすことはできないのだ。

僕は十二分に愛菜さんのおしっこの匂いを堪能した後、
テンション高めで掃除を始めるのだった。

日向荘での仕事をあらかた終えた僕は、
完成した漫画のプロットを鞄に突っ込んで駅前へと向かった。

今回の企画は純愛路線で行くつもりだけど、かなり……自信がある。

それはなぜかって言うと、今回の僕のエロ漫画には、
リアリティーが備わっているからだ。

話の展開も、無理のないものになっているはずだ。

駅前につくと、まだ10分前だというのにすでにおキヨさんがいた。

「おキヨさん!」

僕が走りながらそう声をかけると、
おキヨさんはこちらにクルリと振り返り、ニコリと笑いかけてくれる。

「おお、もう来たのかえ。もう少し待つかと思っておった」

「こんにちは。すみません、お待たせして」

「約束の時間まであと10分もある。妾が早く来過ぎただけゆえ、気にするでない」

「はー、いやそれにしても……」

僕はポケットからハンドタオルを取り出し、汗を拭く。

「今日はいつもより輪をかけて暑いですね」

「うむ、そうじゃの」

そう言って頷く割には、おキヨさんの額には汗が浮かんでいない。

走ったせいもあるけど、僕は汗だくだというのに。

「おキヨさん、あんまり汗かかないタイプなんですか? 羨ましいです」

「ん? いやそんなことはないぞ? 妾とて、暑いときはそれなりに汗もかく」

「でも顔見ても、全然汗が浮いてないじゃないですか。
 僕なんか鼻の下まで汗かいてるってのに」

「あぁ、それは単に服装の問題であろ。妾のように涼しい身なりでおれば、
 風通しも良くてその分楽に過ごせるというものよ」

「涼しい身なり……ですか?」

確かにおキヨさんの浴衣はかなり着崩しているけれど、
涼しい身なりかといえばどうだろう?

裾なんかは、
少しかがめばパンツが見えるんじゃないかというくらいに短いけれど。

「んん? 妾の足が、そんなに気になるか? ペロペロしたいか、ンン?」

「ペロペロって……そりゃしたいですけど、
 それよりおキヨさん、もしかしてですけど……」

「今日も、その……ノーパンだったりするんですか?」

「クククッ、なにを言っておる。当然ではないか。
 そのようなものを穿いておっては、暑いではないか」

「あぁ……ですよね……。
 でも自慢げに言うべきことではないです。あと声が大きいです」

「見たいかの?」

おキヨさんが裾をつまみ、ピラッと少しだけ捲って見せた。

「ちょっ、やめてくださいよこんなところで」

人通りの多い場所でいきなり股間を見せようとしてくるおキヨさんを、
僕は慌てて止めた。

「こんなところでなければ、見たいということかの?」

「うっくっ……」

見た目年齢は僕より圧倒的に下のくせに、
その表情には蠱惑的な笑みが浮かんでいる。

おキヨさんは自分のことをロリビッチと言うことがあるけど、正にそれだ。

「妾は、よいのじゃぞ? お主が見たいと言えば、いつでもどこででも、
 この股を開いて恥ずかしいところを見せてやってもよいのじゃぞ?」

「ま、またそんなこと……やめてくださいよ。歩けなくなっちゃうじゃないですか」

耳元で息を吹きかけながらそんなエロい事を言われたら、
思わず息子がおっきしてしまう。

いや、だめだ……もうしちゃってる感じだこれ。

「ふははっ、正直で実に良い。それでは参るか。またあの店でよかろう?」

「は、はい……。うぅ、歩きづらいなぁ……」

僕は鞄で自分の股間を隠しながら、おキヨさんの後についていく。

灼熱地獄の中を歩いてきた身体に、空調が効いた店内の涼しさが心地いい。

「はぁ、生き返る~」

「まったく、外を歩いたくらいで情けないのう。男ならもう少ししゃんとせんか」

おキヨさんがあきれ顔でそう言った時だった。

「い、いらっしゃいませ。2名様でよろしいですかっ」

「おや? 見慣れん顔じゃの。新しく入った店員か?」

「はい。今日からこちらで……あれ? 真守さん?」

「ん? なんで僕の名前……って……」

突然店員さんに名前を呼ばれて驚いた僕が視線を向けた先には……。

「あ、愛菜さんっ!? えっ、何でここにっ、ていうかその格好はなんですか?」

なんだかヒラヒラのスカートを穿いて、
えぇっと……驚いてとっさに言葉が出てこないけど……。

そう、メイド服だ。

それを着て僕たちの目の前に立っている。

「何じゃ、知り合いか?」

「えぇと、はい。日向荘の住人さんで、鈴木愛菜さんっておっしゃいます」

「ほう……住人、のぅ?」

おキヨさんが視線を愛菜さんに投げた。

足元から頭の先まで、特に胸のあたりをジロジロと見ている。

「あの……は、初めまして。鈴木愛菜と申します。
 真守……じゃなくて、管理人さんには、大変お世話になっています」

「妾はおキヨという。本名ではないが、偽名というわけでもない。
 キヨでもおキヨでも、好きに呼ぶがいい」

「どういう自己紹介ですかそれは」

「こやつが漫画家ということは、知っておるのかの?」

おキヨさんが僕のほっぺをギュムッと摘まみながら訊ねる。

「い、いひゃいいひゃい」

「は、はい……エッチな漫画、描いてらっしゃるとか」

「ふむ。ならば話は早い。妾はこやつの担当編集じゃ。
 というわけで、打ち合わせに使うでな。席は勝手に選ばせてもらうぞ」

おキヨさんはそう言うと、スタスタとひとりで店の奥へと行ってしまう。

「あ、すぐにお水をお持ちいたしますっ」

「愛菜さんが言ってた次の面接先って、ここだったのか……」

それにしても、前回来たときは女性の店員さんはいなかったけれど、
この店の制服ってメイド服だったのか。

打ち合わせ以外でも通おうと決意しつつ、僕はとりあえず特等席へと向かった。

「お、お待たせいたしました。お冷と、こちらがメニューになります」

時間帯が時間帯のためか、今この店にいる客は僕たちだけだ。

「ありがとうございます。
 えっと……面接の方は、上手く行ったってことなんですかね?」

メイド服姿の愛菜さんをしげしげと眺めながら、僕はそう訊ねた。

「その……ですね。
 とりあえず仮採用ということで、何事もなければ、雇っていただけるそうで……」

「バイトを募集しとるなんて聞いておらなんだがのう」

「あ、おキヨさんはここのマスターの方とお知り合いだそうで。
 よくここで打ち合わせとかをしてるみたいです」

「そうなんですか。今後ともよろしくお願いいたします」

「そなたに言われずとも、よろしくするわい」

「そ、そうですよね、ごめんなさい……」

「ちょっとおキヨさん」

「なんじゃ? 注文が決まったのか?」

「いや、そうじゃないですけど……」

「歯切れが悪いのぅ。言いたいことがあるならはっきり言わんか」

なんだか、おキヨさんの機嫌が悪い。

今までも他の作家さんの原稿が遅れているとかで
不機嫌な顔を見せることはあったけど、そういうのよりどこか……直接的だ。

「あの、どうしたんですか。ご機嫌斜めのようですけど」

「別になんでもないわ」

「言いたいことがあるならはっきり言えって言ったのはおキヨさんでしょ」

「むぅ……」

おキヨさんはジッと僕を睨みつけていたけど、やがてプイッとそっぽを向いた。

「……の下……しおって……」

視線を逸らしながらつぶやいたおキヨさんの声が小さくて、聞こえなかった。

「……ええと、今なんておっしゃいました?」

「妾とのデート中に他の女に現を抜かすでないと、そう言っておるのじゃ!」

「鼻の下を伸ばしおって……バカ者が」

「で、デートって」

「妾はバジルとたらこのパスタと、紅茶……そうじゃな、ダージリンを頼む」

「あ、はいっ! かしこまりました」

「それで、お主は何にするのじゃ」

「あ、と、えっと……ぽぼ、僕はオムライスと、アイスコーヒーをお願いします」

「バジルとたらこのパスタとお紅茶のセット。
 オムライスとコーヒーのセットですね。少々お待ちくださいませ」

愛菜さんはオーダーを受けると、マスターにそれを伝えに行った。

おキヨさんとふたりきりになった僕は、恐る恐るおキヨさんに声をかける。

「で、でで……デート……な、なんですか? これ」

僕は生まれてからこの方、女の子とデートなんて当然したことがない。

でも確かに、ふたりで喫茶店で食事なんて……
デートと言っても過言ではないのではないだろうか。

しかも、相手はおキヨさんだ。

ちょっと犯罪めいた香りは漂うけど、
可愛くて優しいおキヨさんが彼女だったら、どんなに幸せなことか。

「ぷっ、くくっ……」

でも、現実はそう甘くはない。

「おキヨ……さん?」

「クククッ、デートなわけがなかろう。
 お主らが余りに初々しかったものでのう、少しからかっただけじゃ」

「なっ……じゃ、じゃあ……あのやきもちっぽいのは嘘ですか?
 僕を騙したんですね?」

「いや? それは本当じゃ。
 妾を差し置いて他の女に鼻の下を伸ばすのは気に入らぬ」

「お主は妾のペットであることをもう少し自覚せよ」

「ペットって……」

「妾にペット扱いされると、興奮するのであろ?」

ニヤッと笑って柳眉を跳ねるおキヨさんにそう言われて、
確かにどぎまぎしている自分がいるのも事実。

「で、でも、愛菜さんの前でからかうのはやめてください」

「ふむ……何じゃ、お主あの女子のことを好いておるのか?」

「なっ……ち、違いますよっ! ただ僕も男なので、からかわれるところを
 女の子に見せるのは、なんというか……面白くないだけです」

「お主にもいっぱしのプライドがあったか。それは悪かったの。
 では詫びも兼ねてデートということにしておこう」

「……はい? あの僕はそういう事を言っているのでは」

「ところで、宿題の方はやってきたのかぇ?」

お水を飲みながら、おキヨさんが言った。

「宿題? あぁ、プロットですね。もちろんです」

僕は鞄から出力した数枚のプリントを取り出し、おキヨさんに渡した。

「感心感心、では見させてもらうぞ」

「はい、どうぞ」

と、おキヨさんがプロットのチェックに入って少しした頃、
注文したオムライスとたらこパスタが届いた。

「お待たせいたしました。オムライスと、たらこパスタです。
 こちらにお飲み物を置かせていただきます」

「ありがとうございます」

ファミレスで仕事をしていただけあって、
愛菜さんはテーブルに手際よくメニューを置いていく。

(……あれ?)

「それでは、ごゆっく……」

愛菜さんが一礼をして席を離れようとした時だった。

「待てぃ。愛菜……と申したな」

「は、はいっ! な、なにか……?」

「あの、おキヨさんいいですから……」

おキヨさんがこの後、なにを言おうとしているのかは、
僕にはわかっている。

だから僕は止めた。

「お主がよくても妾がよくない。のぅ、愛菜。
 真守はアイスコーヒーと言ったはずじゃが、これはホットではないのか?」

そうなのだ。

僕もそれに気づいておかしいなと思ったけど、
愛菜さんは今、試用期間中だという。

だからもしもミスが発覚したら、採用が取り消しになってしまいかねないわけで。

「あ、あっ……も、申し訳ございませんっ!
 す、すぐにお取替えいたしますので……」

「あ、あーっえっと、こ、これでいいんですよ。愛菜さん。僕最初アイスコーヒー
 って言いましたけど、その後やっぱりホットでって言い直したじゃないですか」

「え……」

「……」

「だからこれでいいんですよ。ありがとうございます。それじゃ、いただきます」

僕はこの話は終わりとばかりに、オムライスを食べ始める。

「……真守さん……」

「……やれやれ。お人良しめ。
 すまなんだな、愛菜。どうやら妾の勘違いであったようじゃ」

「でも……」

「そういう事にする、と言っておるのだ、こ奴は」

「も、申し訳ありません……」

「そう思うのであったら、以後気を付けるようにの。
 いつもいつも、客がこのバカのようにお人よしとは限らんでの」

「バ、バカは余計ですよ」

「いーや? お主はバカじゃよ~? ちょっと他では見んくらい、人が良い」

「また、僕をそうやってからかう……」

「鈍いのぅ。そういうところが、妾は好きじゃと言うておるのじゃ♪」

「す、すす好きってっ!?」

余りに思いがけない言葉だったので、つい間抜けな声が出てしまう。

「え、えっと……あの……」

「照れるな照れるな♪ デートなんじゃから、愛を語り合うくらい当然であろ?」

「そ、それはっ、でもあの、なんというか、その。
 見、見てますから、愛菜さんが、見て……」

「見ておるから、どうだというのじゃ?
 ほれ、オムライスを妾が食べさせてやろう」

「あーん♪」

「……し、失礼いたします。ごゆっくりどうぞーっ!」

「あぁ、愛菜さんっ! 待ってください、これは……」

「クククッ、面白いのぅ」

離れていった愛菜さんを見ながら、おキヨさんは意地悪な笑みを浮かべている。

「もう、からかわないでくださいって言ったばかりじゃないですか……」

「ん? からかってはおらんぞ? 先ほど申したであろ? これはデートじゃと」

「よかったのう。人生初めてのデートの相手が、こんなにもかわゆい妾とは」

「嬉しいか? 嬉しいじゃろ? ではその有難味を噛みしめながら早う口を開けい。
 あーんしてやると言っておろうが」

おキヨさんには、かなわない。

「わ、分かりましたよ。あ、あーん……」

僕は素直にスプーンに口をつけた。

「どうじゃ、美少女に食べさせてもらうオムライスはうまいか?」

「はい、美味しいです」

「愛い奴め♪ 仕方ないから妾が全部食べさせてやろう」

その気になったおキヨさんを止めるすべを、僕は知らない。

それにおキヨさんがどういうつもりであろうと、
可愛い女の子にご飯を食べさせてもらうというシチュエーションには
変わりないわけで。

遠くから愛菜さんの視線を感じながらも、
僕は口に運ばれるオムライスをパクパクと食べ続けた。

なるほど、確かに今の僕は、飼い主に餌を与えられるペットのようだった。