【愛菜】
【愛菜】
【真守】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【愛菜】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
【真守】
【愛菜】
庭の仕事がひと段落つくと、愛菜さんの様子が気になって2階へと上がってみる。
「え……、あっ」
すると、ちょうど愛菜さんが部屋から出てくるところだった。
「お、おはよう……ございます」
「あ、はい。おはようございます……」
愛菜さんとセックスをして、まだ24時間も経っていない。
僕たちは顔を見合わせると、恥ずかしくてすぐに視線を反らしてしまう。
「あ、あの……これから、お出かけですか?」
見れば鞄を持っているので、そうなのかなと思った。
案の定、愛菜さんは頷いた。
「はい。これから、バイトの面接なんです」
「へ、へぇ……そうなんですか。頑張ってくださいね。応援してます!」
「あは、ありがとうございます。でも私どんくさいですし、
緊張すると頭が真っ白になっちゃうので、面接も上手く行くかどうか……」
愛菜さんはそう言って、自信無さげに苦笑いした。
「ちなみに、どこに面接を受けに行くんですか?
あ……答えたくなかったらいいですけど」
「駅前の、本屋さんです」
「本屋……あぁ、芽美ちゃんが入って行った、あの店か」
僕は初めてこの街に来た時の、芽美ちゃんとの出会いを思い出す。
最初から変態扱いだったなぁ、と思い、ひっそりと肩を落とした。
「ほんとは、飲食店がよかったんですけど……。まかないが出ますので。
でもなかなか私なんかを雇ってくれる様なお店は無くて……」
「だ、大丈夫ですよ。愛菜さん可愛いですし。
僕がもし店長だったら即採用しますって」
「フフッ、ありがとうございます。
なんだか元気が出てきました。それじゃ、行ってきますね」
風俗店でなかったことに安堵しつつ、
僕は階段を降りようとする愛菜さんに声をかける。
「あ、忘れ物とかないですよね? 財布とか履歴書とか、ちゃんと持ちました?」
「もちろんですよ。子供じゃないんですから……」
愛菜さんはそう言いつつも鞄の中を見た。
「あ、あれ……?」
するとあるはずの物がなかったらしく、青ざめる。
「り、履歴書忘れてましたっ!
助かりました、ありがとうございます真守さんっ!」
慌てて部屋に取りに戻る愛菜さんの背中を見ながら、
なかなか前途多難そうだなぁと思うのだった。
そして、夕刻。
「あ、お帰りなさい、愛菜さん」
玄関で靴を脱ぐ愛菜さんを見つけて、出迎える。
「……た、ただいま帰りました」
「どうでしたか、面接は」
「それが……」
愛菜さんが皆まで言わなくても、
落胆したその表情を見れば結果がわかってしまう。
「そ、そうですか……。でもまぁ、次がありますよ。
そうだ、昨日のカレーの残りがまだあるんですが、
芽美ちゃんも誘って一緒に食べませんか?」
「え、でも……御迷惑では……」
「いえいえ、全然。疲れてるでしょうし、
今日くらいは夕飯の支度を休んでもいいんじゃないですかね」
「……わかりました。すみませんが、お言葉に甘えさせていただきます」
「はい。それじゃ僕は用意してきますから、芽美ちゃんを呼んできてください」
「はい♪ 芽美もきっと喜ぶと思います。あの子、カレー好きですから」
今の僕にできるのはこの位だけど、
でも……愛菜さんに笑顔が戻ってよかったと、そう思った。